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2013年6月 7日 (金)

ボストン美術館展

久しぶりに昨日、というか一昨日、美術展を見に行った。

近所の大阪市立美術館でやっている「ボストン美術館 日本美術の至宝」である。

まあ、面白かった。これらの絵画が日本にないというのは何たることか、と嘆いてみても仕方がない。

まず、絵巻。「吉備大臣入唐絵巻」「平治物語絵巻」の2つ。面白いなあ。細かい描写はじっくりと見てみたいのだけれど、美術展だから、ちょっとずつでも進んでいかねばならんので、悔しさが募る。

仏教美術は、まあ、このクラスは日本でもたくさんあるし、もっとすごいのも当然あるからビビるほどではない。仏画や仏像が、多分ボストン美術館では「美術品」として収蔵庫にでも保管されているのだろうが、やはり、これらは寺院で本来のその役割、あるべき場所で見るのが一番いいなあ。作り手もそういった堂宇に安置されることを前提につくってるわけだし。しかし、明治政府の廃仏毀釈のせいで廃寺になった寺院から持ってかれた襖絵なんかを見ると、まあ、お上のやることは浅はかだなあ、と思わずに入られない。廃城なんかもそうであるが、失われたものは2度と戻ってこんのである。いくら大阪城が新しくなったって、あれはまあ、城の形をしたビルなんである。豊臣期のものは夏の陣でなくなったし、江戸期のものも鳥羽伏見の戦いでなくなちゃったし。まあ、残っていても空襲で焼けちゃってただろうけども。

見応えがあったのが、長谷川等伯の龍虎図、尾形光琳の松島図、そして展覧会のシンボル的存在の曽我蕭白の雲龍図だ。伊藤若冲の作品も面白く、鸚鵡図はその画法はユニークだ。

絵にもいろいろな見方があるなあと気づかされたのが、狩野派の絵画だ。まあ、よく見るものと言えばそれまでだが、細かく見ていくと、当時の日本の自然が見えてくる。鳥なんかに注目すると、主題ではないが、そこここの枝にさりげなくシジュカラやカケスやジョウビタキなんかがとまっている。正直言って僕なんかは実物を見たことはないが、ガンという鳥が主題やその他脇役であれだけ登場するというのも、今と違って結構ポピュラーな鳥だったんだろうなと思う。

僕はどうも図録を買うのが好きではないので、今その絵を見ながら書けないのが悔しいのであるが、植物もなかなか面白かった。いまや絶滅危惧種であるミズアオイなんかも書いてある。ちなみに図録を買わないのは、いつも欲しいと思って見本のページをペラペラとめくるのだが、色が違うし、どういうのかぼかしなどの微妙なグラデーションが、元絵よりくっきりと印刷されていたりするので、その絵の持つ雰囲気が今ひとつ再現されていなくて、図録を買って眺めてしまうと、その絵の印象が変わってしまいそうな気がするのでやめてしまうのである。

しかし、蕭白の雲龍図はすごいです。これは見とかないかんですよ。酔狂な大富豪が買い上げてどっか日本の美術館に寄付して欲しいです。

ちなみに虎は、和歌山県串本の無量寺にある長沢芦雪の襖絵が何といってもいいです。師匠の応挙の金刀比羅宮の襖絵も見たけど、ありゃ猫です。まあ、いずれにせよ毛皮から想像して書いたのだろうから仕方ないんですけども。

ま、そんなこんなで。

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