カテゴリー「ぽえむ」の記事

2013年3月20日 (水)

ゴドー

待つ。

ただ待つ。

何を。

今日もまた、日付が変わる。

明るい光が差し込むショウウインドウから交差点を見下ろせば、

信号が青に変わった横断歩道を人々がこちらに向かって歩いてく。

やがてシェードが下ろされて、日が暮れるまで外を見ることは叶わない。

ようやく日差しが陰り、まだ暮れ切らぬ頃あいに、

細いチェーンを引いてシェードを上げてみた。

あいも変わらず信号が青に変わった横断歩道を人々が歩いてく。

夜更けにひとり、部屋に戻って映画を観る。

「人はいつも何かを待っている」。人生のうんちくを老人が語る。

何を。

ゴドーが来ないことは、知っているくせに。

少し心に火が灯り、今日一日は久しぶりに満足な日。

それでもゴドーはやってこない。明日もあさっても、いつまでも来ない。

永遠にゴドーが来ないことを知っていても、気づいていないふりをして待つ。

何を。

何かを。

何かが起こるのを。

気づいていないふりをして、いつまでも待つ。

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2013年3月18日 (月)

怒りとヒゲ

 いい加減なことが多過ぎる。

 怒りがこみ上げ、イライラが募る。

 なんだこれは! どうなってんねん!

 怒っていても、やがてそれはおさまってしまい、やがて妥協がやってくる。

 感情がほとばしる。ほとばしりすぎる。そして今度は妥協する自分がしゃくにさわる。そしてまた怒り。

 人間は考える葦である。ふん。

 考えるのが嫌になる。なぜ考えてしまうのか。

 考えてばっかりだ。考えてばっかりだ。考えてばっかりだ。

 考えるな、考えるな、考えるな。

 自分を変えてみるのも悪くないと、ヒゲを生やし始めて一週間が経つ。

 それでも自分がしゃくにさわる。

 優しい気持ち、優しい気持ち。

 なぜ考えるのだろう。考えてしまうのだろう。

 ああ、いい、うう、ええ、おお。

 無欲とは何か。純粋とは何か。誠実とは何か。優しさとは何か。真実とは何か。

 考えるな、考えるな、考えるな。

 考えない時間。とぼけた時間。

 ゆあーん、ゆよーん、ゆやゆよーん。なんだっけこれ。ああ、やっぱり中原中也か。

 こないだ詩集を開いたときは、この詩は見つけちゃいないのに。いきなり出来たこのフレーズが、やっぱり中原中也だとは。

 汚れっちまった悲しみに、今日も風さえ吹きすぎるのさ。ゆあーん、ゆよーん。

 ちょっと帰ってくれないか。ゆあーん、ゆよーん、ゆやゆよん。

 今はあんたと付き合いたかねえ。ゆあーん、ゆよーん、ゆやゆよん。

 ぴゅーん、ぴゅーん、ぴゅぴぴっぴ。これがおいらのフレーズだ。

 負けるものか。そうれ!

 ぴゅーん、ぴゅーん、ぴゅぴぴっぴ。ぴゅーん、ぴゅーん、ぴゅぴぴっぴ。

 ぴゅーん、ぴゅーん、ぴゅぴぴっぴ。ぴゅーん、ぴゅーん、ぴゅぴぴっぴ。

 ……勝ったぜ。さて、このヒゲ、いつ剃ろうかな。

 

 

 

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2012年9月 6日 (木)

終わりの始まり

 難しい局面に立っている。

 波乱含みの人生で、まあ、さまざまなことを織り込み済みで生きているわけだが、難所というのは得てして連続するもんなのである。いつまで経っても波乱から開放されぬのである。

 しかし、それもまた、俺らしいといえば俺らしいので困ってしまうわけである。

 いやはや。疲れっちまうぜ。

 終わりの始まりか、それとも。

 蓋を開けて見なければわからない。じれったい。

 嗚呼、面白きかな、人生。

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2010年11月 2日 (火)

JOEの見た夢

 商店街の片隅のお好み焼き屋で、男たちが集まってなにやら秘め事、悪だくみ。2人の男は台本を片手に、今一人の男はギターを片手に。

 あれやこれやと、なにやら言葉を戦わす。音楽が流れ、言葉があふれ出す。そしてまた、あれやこれや。

 10数年の月日が流れたけれど、男たちはまた例によって例のごとく、秘め事に精を出す。一瞬の輝き、一瞬のときめきが、男たちを包み込む。夢のような時間が過ぎてゆく。

 明日はバイオリン弾きがやってきて、男たちの秘め事に加わるだろう。

 そして、あと10日もすれば、夢の終わりがやってくるのだろう。

 男たちがやり残した夢が完結するとき、何が見えてくるのだろう。一人の山男の人生が完結するとき、いったい何が起こるのだろう。

 商店街の片隅のお好み焼き屋で、男たちが悪だくみ。そこには言葉があふれ、音楽があふれている。商店街の片隅のお好み焼き屋で流れる美しき時間。

 明日もまた、男たちはなにやら秘め事、悪だくみ。

 夢の時間の完結に向けて。

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